フランス大学院留学日記 byそらとぶ うさぎ

フランス大学院(パリ政治学院)に留学中。大学院応募、留学生活、パリの日常、ヨーロッパ旅行、国際結婚などについて発信します。

パリのアパルトマン最上階のススメ

私はパリのアパルトマンの最上階に住んでいます。

おしゃれそう?リッチそう?いえいえ、違うんです。

パリでは最上階と言えば、いわゆる昔の「女中部屋(chambre de bonne)」。アパルトマンの中でも一番条件が悪いと言われる部屋。

でも、住んでみたら「女中部屋」にはいいところがいっぱい。今日はアパルトマンの最上階をお勧めする理由をご紹介したいと思います。

 

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日本でマンションの最上階に住んでいると言ったら、かなりのステイタスですよね。日本では階数が上がるごとに値段も上がっていきますし、最上階は広めの間取りになっていることも多いです。

それとは反対に、パリのアパルトマンは階数が上がるごとに値段が下がっていきます。一番高いのが地上階や1階(日本でいう2階)、最上階は建物の中でも一番低い賃料設定になっていることがほとんどのようです。

また、パリでは法律により建物の高さ規制がされており、中心部は31m(歴史的に貴重な地区はそれ以下のことも)までの建物しか建ててはいけないことになっています。31メートルというと、大体6階から7階建て。最上階と言っても7階ということです。

 

階級社会だった昔のパリでは、富裕層は必ず住み込みの女中を雇っていました。建物の中でも条件のよい低層階は家族のためのスペースに、最上階は女中が住む部屋として与えられていたそうです。最上階は、階段を延々と上らなければいけないし、低層階に比べて高さも広さもなく不便だからです。

 

そんな「女中部屋」に、留学生の私は住んでいます。私の住むアパルトマンにはエレベーターがなく、毎日7階まで階段を往復しています。もちろん大変です。でも、最上階に住んでてよかったなーと思うこともあるんです。

 

1. 日光がたっぷり入ってくる

パリはかなり狭いうえに人口密度が高い街です。面積は山手線の内側よりも少し大きい蔵しかありません。人口密度は1km2当たり約1万4千人、世界ではニューヨークに次いで2位の密度です。東京が8千人ですので、どれだけ密集しているかわかりますよね。

しかも前述のとおり高さ規制があるので、ニューヨークや東京のように超高層マンションが建てられない。そのため、細い道の両側に低いマンションがギュウギュウと立っています。

その結果どうなるかというと、低層階は光が当たらないのです。隣接して建っている建物に光が遮られてしまうからです。

また、パリは緯度が高いので、冬の間は太陽は低い位置にしか上がりません。そのため、冬はさらに光が当たりにくくなります。

それに比べ最上階は遮るものがないので、北向きの部屋を除けば冬でも太陽光がたくさん入ってきます。なので私の部屋の中はいつも明るいです。


(パリではこんな狭い道もよく見かけます)

 

2. 冬は部屋の中がポカポカ

欧州の家は厳寒な冬に対応できるように気密性が高く作られており、暖房の熱が家の外に逃げて行かないようになっています。私の育った一軒家は大きいストーブをガンガン焚いても寒くて厚着をしていたのですが、こちらでは小さなヒーターがあれば冬でも半袖で過ごせるほどです。

加えて、前述したとおり最上階は太陽光が入ってきますので、晴れた日などはすぐに部屋の中が暖かくなります。また、最上階は下層階と比べて天井が低めなので(とは言っても日本のマンションよりも高いです)、暖かい空気が上の方に逃げないため、あまり暖房を使わなくてもいつも暖かいです。

ただし、夏は暑いです。でも東京の夏に比べたら序の口!寝苦しいと感じるのは8月の数日くらいでしょうか。

 
(ある晴れた冬の日の午後。上層階にしか光が当たっていません)

 

3. 窓から空が見える

パリは細い道が多いと先ほどお話ししましたが、それに加え、多くのマンションには「中庭」があります。中庭側にも部屋を配して、スペースを有効活用するためです。大きめのマンションの中庭は、中庭の名前に恥じないほど広かったりするのですが、狭い中庭はほぼ通路みたいなものです。

細い道や中庭に面した低層階の部屋はどうなるかというと、窓の外をのぞいても、目の前は壁か、もしくは正面にある部屋の窓しか見えません。空なんてはるか上空という感じです。

反面、最上階であれば窓の外には必ず空が見えます。これは、建物規制によりお隣や正面の建物も自身の建物と同じ高さだからです(低層マンションの目の前に高層マンションが建って空が見えなくなった、などということは起こりません)

パリ特有のオスマン様式の屋根の向こうに空が見える、とても気持ちがいいものです。

 

4. 家賃が安い

不便な部分もある最上階の部屋なので、家賃が低めに設定されています。パリの中心部は東京よりもはるかに地代が高いので、少しでも家賃を抑えられるのは学生には魅力ですよね。いくら家賃が低くても、治安の悪いパリ郊外に住むのはためらわれますし。

 

5. 静か

私だけかもしれませんが、上に住む住民の生活音がすごく気になる性格なのです・・。これはパリ特有なわけではないですが、最上階は隣人の生活音に煩わされることも少なく、やはり静かで落ち着きます。

 

6. 階段の上り下りが運動になる

これは、大変さの裏返しでもあるのですが・・・。毎日7階まで上り下りをしていると体力がつきますし、ヒップアップにもなります。最初は大変でしたが、結構慣れるものです!

 

いかがでしたでしょうか。

パリに長期で滞在することがあれば、アパルトマンの最上階もぜひ検討してみてください。

 

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